メリッサの登場に端を発して,ウイルスにまた新たな歴史が開かれた。伝播するのに現在の環境はとっっっても楽なのだ。マクロが切り開いた感染の容易さに,メール添付という伝播法をプラスして,尋常ではない速度で進化は,進んでいる。
IPA(情報処理振興事業協会)から6月のコンピュータウイルス被害届出状況が公表された。届出件数は385件。ウイルスの種類は28種類。いちばん届出件数の多かったウイルスはSkaの120件。注目されるところではExploreZipで,届出は6件と少なかったが,ネットワーク上で共有していた約5000のファイルが破壊された届出があった。ExploreZipにSka,さらに16件の届出があったメリッサと,電子メールを返信して伝播するウイルスが猛威を振るっており,今年の上半期(1〜6月)の合計届出件数はすでに1936件。昨年は1年間で2035件だったことを考えるとウイルスの拡大傾向が広がっていると見ていい。
毎月公開されているIPAの届出状況。一応,コンピュータウイルスを発見した場合には情報をIPAに届けなければいけないので,みなさん,ちゃんと届け出ましょう〜(^_^)(これが届出用紙)。ということで,当然これらの数字は氷山の一角。実際にはこの数百倍の被害があると考えていいんでしょう。
わずか半年で昨年1年分の届出件数に届いてしまったのは,当然メールを利用したウイルスによるもの。感染経路の数字を,昨年度分を半分にしたものと今年半年分で比べてみると,,,外部からの媒体(334→344),メール(389→1095),海外からの媒体(16→18),海外からのメール(24→97),ネットワークからのダウンロード(38→137)となっています。まぁメールによる感染というのが流行しているというのは一目で判る。この流れは当分続くだろうし,メールを扱う端末が増えて,メールが身近になればなるほど,この手のウイルスは活発化する。特に,Windowsのように,OSとインターネットアプリケーションの境界が不明確だと…。マクロもいいかげんにして欲しいものだが,マイクロソフトのいちばん大きな,そしていちばん痛いバグは,その,アドレスとメールを簡単に操作できてしまうこと,なんだろうけどねぇ。
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